働き始めたパートで『あれ?仕事内容が面接の時の話と違うな…』『聞いていた契約内容と違うな…』という状況になった時、どうするか悩みますよね。
せっかく理想のパートを見つけたと思ったのに、実際働いてみると聞いていた内容と違うなんてがっかり。
少し位ならしょうがないかな…という気持ちもありつつ、思っていた仕事と違う業務をやり続けるのはストレスが溜まります。
実はパートの仕事内容が面接の時と話が違う状況だったり、契約内容と違うのは契約違反!
だから我慢せず会社に相談して大丈夫なんですよ。
ただし着地点を考えて行動しないと、会社と揉めてしまう可能性もあります。相談の仕方は注意が必要ですよ。
今回はパートで仕事内容が違う場合どう行動すべきか、改善されない場合退職する理由になるのかなどまとめていきます。
- パートの仕事内容が契約内容と違うことがある理由
- 面接時と話が違う、契約内容と違うのは契約違反?
- 仕事内容が違う場合の相談先
- パートの仕事内容が違うことを伝える時に気をつけるポイント
- 仕事内容が違うことを理由に退職してもいいのか
パートの仕事内容が違うことで悩んでいる人や、退職を考えている人は参考にしてくださいね。
パートの仕事内容が違う!はなぜ起こる?
働きはじめたパートで仕事内容が違うと、『えっ?聞いてた内容と違うんだけど!?』と戸惑いますよね。
例えば、
- データ入力で入ったのに作業スタッフとして働かされる
- 品出しとして入ったのにレジをやらされる
- 事務で入ったのに営業をやらされる
- 作業スタッフで入ったのに専門的なパソコン操作を任される
- 電話の受信業務で入ったのに発信業務でノルマもある
パートからすれば面接の時に話した内容や、契約内容に書いてある仕事内容ができると思うのは当たり前。
ですが社内の連携ミスや人手不足など会社都合で、聞いていた仕事内容と違う!ということが起きてしまうんです。
なんで面接の時と話が違う状況が起こるんだろう?会社の都合って?
ここからは、パートで仕事内容が違う状況がなぜ起こるのかいくつか紹介しますね。
人事部と現場の連携が取れてない
まず考えられるのが、求人を出す人事部側と現場で必要な人員の把握ができていないため相違ができてしまったパターン。
現場は作業人数を増やしたいのに人事側で事務スタッフの募集をかけてしまったなど、本当に欲しい人員の認識に相違がある場合です。
募集は事務スタッフかもしれませんが実際に足りないのは作業スタッフ。
そのため入社すると作業スタッフ要因として充てられてしまいます。
これは入ってみないと分からないし、事前に判断できない…
面接が現場の担当者ではなかった場合は、なおさらわからないですよね。
また転職サイトなどに掲載する求人情報は文字に限りがあるため、どうしても細かい所を書ききれないということも出てきます。
そういった人事と現場の連携ミスや人事部が転職サイトに求人を載せる際の問題で、働き始めたら仕事内容が違った!という状況が起きてしまいます。
求人の応募を増やすため
少し悪質ですが、そのままの仕事内容だと人が集まりにくいため、事実を隠したり集まりやすい内容を記載する会社もないとは言えません。
会社的には人手不足だと仕事が回りませんし、一刻も早く人員を増やしたいと考えています。
そこで人が集まりやすい魅力的な文言を入れてしまうことも…
わざとやっている悪質な会社もあれば、実際に業務の分担が明確に分けられていない会社だと悪気がなくそういうことをしているのかもね。
例えば一人のスタッフが、事務と作業スタッフを兼任する職場だったとします。
作業という文字があるとなかなか人が集まらないので、事務だけを記載する…というように良い部分だけを抜粋することは結構あるかもしれませんね。
これは会社の都合であって働くパートには迷惑な話なんですが、実際働くまで分からないので困りものです。
人手不足
単純に人手不足で違う仕事内容をお願いされることもあります。
急に人が辞めたりすると、新しく人の募集をかけるのは大変。
そのため今いるパートさんの中で、できそうな人に頼んでしまう会社は多いはず。
働いている側からしたら『聞いてた仕事内容と違うけど!』と困惑しますよね。
けれど会社側からすると、部署でパートを雇っているわけではなく会社が雇っているので、どの仕事をしてもらおうと変更は自由だと思っているのかもしれません。
人の入れ替わりが激しい会社だと、人がいない間の代替えとして違う仕事内容をさせられることも多そうですね…。
また上司が赴任してすぐで、現場に慣れていない場合やオープニング(開店)のパートだった場合。
まだスタッフの人数や繁忙期の人の流れなどを把握していないため、聞いていた仕事内容と違う仕事をお願いされる可能性は高いかもしれません。
面接時と話が違う、契約内容と違うのは契約違反?
上記で紹介したように、会社の都合により仕事内容が違うという状況は良く起きます。
パート側からすると仕事内容は職場を選ぶ上で重要なことですが、会社からすれば会社のスタッフとして柔軟に働いてほしいという思惑もあります。
でも仕事内容でパートを判断する人って多いよね。
性格で合う合わないもあるし…勝手に変更されるのはちょっとなぁ。
実は会社の都合で当初言っていた仕事内容と違う仕事をさせることは、法律的に認められていません。
ここからは仕事内容が『面接時と話が違う』『契約内容と違う 』ことの問題点を、詳しく紹介しますね。
労働条件の明示に基づくと問題となる
パートの仕事内容については、労働基準法で『事前に労働条件を労働者に明示すること』『明示した内容と異なる場合は、労働者は会社と交わした契約を解除することができる』と定められています。
つまり、面接時に言った内容や契約内容と違う仕事内容をさせるのは問題なんです。
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
引用元:e-gov法令検索(労働基準法)
また厚生労働省での公式サイトでは、明示すべき労働条件について明記されています。
(1)労働契約の期間に関する事項
引用元:厚生労働省(労働基準よくある質問)
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(6)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(7)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(8)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(9)安全及び衛生に関する事項
(10)職業訓練に関する事項
(11)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(12)表彰及び制裁に関する事項
(13)休職に関する事項
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項が仕事内容。
つまり記載と違う仕事をさせられたら抗議しても良いってことですね。
上記のように労働条件の明示が決められている限り、働く労働者は仕事内容が違うことは我慢せず抗議して良いのだと分かりますね。
確かに労働条件の明示は義務付けられているから、違うければ抗議してもOKです!
だけど『労働基準法で決まっているんですよ!?』と戦闘態勢丸出しでは喧嘩になってしまいますよ。
最初から抗議するのではなく、まずは軽く上司に相談してみるなどしてみた方がいいですね。
パートの仕事内容が違う場合の相談先
ここまでパートの仕事内容が違うのはなぜ起きるのか、『面接時と話が違う』『契約内容と違う』は問題かという内容を書いてきました。
パートの仕事内容が違うのは会社の都合ですし、労働条件の明示に基づくと勝手に仕事内容を変更することは問題です。
つまり最初に聞いていた仕事内容と違う仕事を振られた場合、断ったり抗議してもよいということになりますよね。
ここからはパートで仕事内容が違う場合、どこに相談すれば良いのか書いていきます。
ちょっと言いにくいけど、会社の都合と分かれば言える気がする!
直属の上司
まず相談したいのは直属の上司です。
チームの指揮をとるパートリーダーなどに話をしても、その人に配置換えの権利はおそらくありません。
むしろパート内でウワサが広まる可能性もあるので要注意です。
社内で仕事内容が違うことを相談するなら、現場をまとめる人事権がある上司にしましょう。
少し言いにくいかもしれませんが、まずは軽く相談程度に話をして様子をみることをおすすめします。
例えば、
すみません。事務スタッフとして入ったんですが、作業の時間が多くて…。事務はやらなくて大丈夫ですか?
など最初に希望していた仕事はやらなくて大丈夫なのか?、と聞くと印象も悪くなりませんよ。
上司の反応を伺ってから、次の一手に踏み出すのもひとつの手です。
会社の人事や総務
現場の上司に話しても取り合ってくれない場合は、会社の人事や総務に相談するのも1つの手。
前項の『パートの仕事内容が違う!はなぜ起こる』で書いた通り、人事と現場の連携ミスで必要な人員が募集されていない可能性もあります。
そういった場合会社はパートに仕事内容が違う業務をさせていることは知らず、現場の判断で違う業務をさせられているということになります。
人事や総務はあなたの訴えでその事実を知ることになりますし、伝えることで希望通りの条件に戻してくれる可能性もあります。
相談することで体制が変わるなら、言ってみる価値はありますよね。
ただ人事や総務に相談すると、社内で大事(おおごと)になる可能性もあります。
直属の上司の上に部長などもう1つ上の立場の人がいるなら、まずはその人に相談しても良いかもしれませんね!
また労基(労働基準監督署)や労働局の相談コーナーなどに相談に行けば何とかなる?と思う人もいるかもしれませんね。
ただ一般的には、そういった窓口に『仕事内容が違う』と相談してもアドバイスをもらえるくらい。
会社に直接指導してくれたり、根本的な解決にはならないことが多いです。
結局は自分次第…ってことなんですね。
あまりにも条件が違う、会社に相談しても取り合ってもらえないような時は。地域の労基などに相談してみるのも一つの方法ですが、まずは上司や社内で相談するほうがいいですよ。
パートの仕事内容が違うことを伝える時 気をつけるポイント
パートで仕事内容が違う場合は、会社に相談して大丈夫。
けれど伝え方や自分の着地点を考えていないと、思わぬ方向に話が進んでしまう可能性もあります。
会社に仕事内容が違う!と訴えを起こす前に、自分の考えと会社の反応を予想してシミュレーションしておきましょう。
最初に話の着地点を決めずに、無計画で走り出すと思わぬ方向に進んでしまう可能性も…。
着地点を考えておく
仕事内容が違うことを上司に相談することは、決して悪いことでもなく働く側として当然の権利です。
けれど言い方を間違えてしまうと退職に追い込まれる可能性もあるし、会社側と揉める可能性もありますよね。
もしくは当初考えていた希望の仕事内容で働けたとして、他のパート仲間から冷ややかな視線を向けられる可能性だってあります。
訴えを起こす前にこのままこの職場で働き続けたいのか、場合によっては辞めても良いのか、そういった自分の中での着地点を整理しておきましょう。
行動を起こすことにより良い方向に転ぶか悪い方向に転ぶか分からない…。
どっちの場合も後悔しない結果を選びたいですね。
会社の反応をシミュレーションしておく
自分の中での着地点を考えておくことも大切ですが、会社側がどう出るか反応を予想してシミュレーションしておくことも大切。
予想せずに仕事内容が違う!と訴えて、考えてもみなかった返答が返ってきたら?
会社の希望通りに丸め込まれてしまうかもしれないし、ついついカッとなってしまい話がこじれてしまう可能性もあります。
会社の社風や上司の性格上なんて言ってくるだろうか。
それに対してなんて言えば、相手の気分を害さず要望を通すことができるのか?
伝え方や言い回しを考えておきましょう。
売り言葉に買い言葉になってしまったら、余計なストレスが増えるだけ。
ここはしっかりシミュレーションして冷静に相談しましょう。
パートの仕事内容が違うことを理由に退職もあり
パートの仕事内容が違う時、『相談しても取り合ってもらえない』『話を聞いてもらえなそう』なら退職するのも1つの手です。
自分に合わない仕事をやり続けるって、相当ストレスが溜まりますよ。
苦手意識のない仕事だったらまだ続けられますが、自分が避けていた仕事内容を任されるのは辛いことです。
せっかく気持ちよく働こうと自分に合った仕事を選んだはずなのに~。
最初は「ちょっとこれ手伝って」と言われて、徐々にその仕事がメインになっていったら言いにくさもありますしね。
その日は乗り越えられたとしても、「明日もお願いされるのかな?」とモヤモヤしてプライベートも楽しめなくなってしまいます。
入ったばかりで契約期間が残っていたとしても、労働条件と実務内容の相違がある場合は『やむを得ない理由』とみなされる場合が多いです。
契約期間が残っていてもやむを得ない理由がある場合は、即日の契約解除も認められていますよ。
面接の時と話が違いすぎたり、あまりにも思っていた内容と違うなら退職をして新たなスタートを切っても良いのかも。
パートの退職を言うタイミングや、2週間前に退職を告げれば辞められる人・そうでない人など詳しく紹介した記事もあります。
こちらも合わせて読んで下さいね。
パートを辞めると言うタイミングは退職の何日前?2週間前って本当?
辞めると切り出しにくい人は、しっかりと話す内容を決めてから伝えるのがベストです。
パートを辞める時の切り出し方は?上手な言い方や伝えるタイミングも!
パートの仕事内容が違う時は我慢せずに行動してOK
パートの仕事内容が違う時『面接の時と話が違うな』『契約内容と違うな』とモヤモヤしてしまいますが、その場合は会社に相違を訴えても大丈夫。
仕事内容が違うことは、会社の中での連携ミスや人手不足など会社の都合で起こることが多いです。
パートからすれば面接時に聞いた内容で働きたいですし、それは叶えられるべき。
パートの仕事内容が違う場合の相談先は、
- 直属の上司
- 会社の人事や総務
パートの仕事内容が違うのは訴えても良いのですが、伝え方を間違えると退職に追い込まれたり会社と揉めることも考えられるので注意してくださいね。
事前に、
- 自分なりの着地点を考えておく
- 会社の反応をシミュレーションしておく
など自分の考えを整理したり、反応を予想しておくことが大切ですよ。
もし訴えても取り合ってもらえない、話を聞いてくれそうにないなら退職をすることも1つの手です。
またパートを探すのは大変ですが、合わない仕事をしてストレスを溜める毎日は楽しくありませんよね。
始めたばかりのパートで仕事内容が違う場合は、上司にまず相談してみましょう!
パートの仕事内容が『面接時と話が違う』『契約内容が違う』と、悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。
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