「仕事に疲れた‥‥一年くらい休みたい」仕事があまりにもきつくなると、ついそう思ってしまうのは当たり前。
なかなか一年もの長期間休むのは難しいと思いがちですが、実はうまく制度を利用すれば可能なんですよ。
けれど、注意点もあるから知っておきたい。
このページでは、仕事を一年くらい休みたい人が利用すべき制度や注意点を詳しくご紹介します。
またしばらく休むメリットやデメリット、休むべき人の特徴もまとめているので参考にしてください。
「仕事に疲れたから休みたい」「現実的な方法を知りたい」という人はお役に立ててくださいね。
「仕事を一年くらい休みたい」は甘え?現実的に無理?
「仕事を一年くらい休みたい」と思うのは甘えなのでしょうか。
仕事が辛いと、誰でも一度は考えるんじゃないかな?
また現実的に休むのは無理なのか可能なのか、気になる疑問について解説します。
「仕事を休みたい」のは体からのSOS
「仕事を一年くらい休みたい」という言葉だけを聞くと、甘えに感じるかもしれません。
けれど「休みたい」と思うのは甘えではなく、心や体からのSOSの可能性が高いので注意が必要です。
例えば、こんな体調不良や症状は出ていないでしょうか。
- 朝起きられない
- 疲れているのに眠れない
- やる気が出ない
- 食欲が出ない
- 原因不明の体調不良が起こる
- これまで好きだったことに興味がわかない
- 毎日イライラする
など、上記のような体調不良や身体に異変があるなら一度休んだ方が良いのかも。
きっと「あなたの体は限界だよ」「休んだ方が良いよ」という体からのメッセージです。
【甘え】という言葉だけで片付けるのは危険ですね。
体からの信号を無視して放っておくと最悪「うつ病」になってしまうため、異変を感じたら休みましょう。
長期休養は準備をすれば可能
体からのSOSを感じたら休むべきなのですが「そうは言っても現実的に難しいよね」と諦めている人も多そう。
けれど、準備すれば長期休養を取ることは可能ですよ。
長期期間休むための準備とは、以下の通りです。
- 大体の期限を決める
- 休む目的を決める
- 休養中のお金はいくら必要か考え、用意しておく
大体の期間やゴールを決めておかないと、時間だけが過ぎてしまった…と後悔しかねません。
また何をしたいのか目的を考えておく事も、有意義な休暇にするためのポイントです。
特にお金問題は切実!しっかり考えておこう。
一カ月の生活費や健康保険・年金・住民税など、退職後かかるお金を明確にしておきましょう。
退職後必要なお金については、別の記事で詳しく解説しています。
気になる人はこちらも参考にしてください。
仕事を辞めたいけど辞められない!お金がなくて退職できない時の対処法
制度を利用する手もある
前項で紹介したように、長期休養する人にとって一番の問題は【お金】です。
貯金をして備える方法もありますが、なかなか一年生活できるお金を貯めるのも難しいですよね。
そんな人は日本の制度を上手に活用すれば、長期休養できますよ。
例えば「失業保険」や「傷病手当」を利用すれば、貯金がなくても安心です。
合計で300万円以上貰える制度もあるので、給付金は調べておく方が良いですよ。
仕事に疲れた…しばらく休むべき人の特徴
「仕事を休みたい」と感じる理由は人ぞれぞれですが、中には今すぐ休むべき人もいます。
ここでは、仕事に疲れた時しばらく休むべき人の特徴を紹介しますね。
体調不良が続いている人
原因不明の体調不良は体からのSOSなので、しばらく休むべきです。
「年だから」「このくらい大丈夫」と放っておかないでね。
腹痛や吐き気・頭痛など、なぜか分からないけど体調が悪い日が続いたら、まずは原因を考えましょう。
出勤前や働いている最中に症状が出るなら、仕事内容や環境でストレスが溜まっているのかもしれませんよ。
会社でのストレスは退職して休養することで、解消できます。
不調の原因を突き止めて、どうすればストレスがなくなるのか考えてみてくださいね。
うつ病を発症している人
うつ病を完治させるために、長期休養は必須です。
厚生労働省の公式HPでも「長期休養」が推奨されていますよ。
ちなみに長期休養して完治するのは “軽度のうつ病” なので、初期症状で気づくことが大事。
- 気分が落ち込む
- 趣味が楽しめない
- 食欲が湧かない
- 眠れない
- 忘れっぽい
- 集中できない
- ふとした時に涙がこぼれる
上記のような症状が出たら、すぐに仕事を辞めて休む事を考えてください。
放っておくと重症化して、抗うつ剤の投薬や長期の通院が必要になってしまいます。
自分では症状に気づかない可能性があるため、周りの人の反応にも耳を傾けたいですね。
「最近元気ないね」「顔色悪いよ」と言われていませんか。
うつ病で仕事を休む事に不安を感じる人は、利用できる制度などまとめた記事もあります。
こちらも読んでくださいね。
鬱で仕事辞めたら人生終わり?よくある勘違いと退職後のお金について
人生を見直したい人
「私の人生ってなんだっけ」「頑張っているのに辛い事ばかり」など悩みを抱えている人は、人生を見つめなおす良い機会かも。
人生は一度きりなので、思い切って休んでみても良いですよね。
- 旅行に行く
- 引っ越しをする
- 資格の勉強をする
- 色んな人と交流してみる
など自分を取り巻く環境を変えると、今まで思いつかなかったアイデアや目標が見つかるかもしれません。
今の自分の生活に不満や不安を感じている人は、休んでみてはいかがでしょうか。
仕事を一年休むメリットとデメリット
長期休養することで得られるメリットもあれば、デメリットもあります。
双方を理解して、後悔のない休みを取りましょう。
仕事を一年休むメリット
仕事を一年くらい休むメリットは以下の通りです。
- 心身共に健康になる
- 人生について考える時間ができる
- 資格の勉強ができる
- リフレッシュできる
ストレス環境から離れることで、体調不良や精神的な落ち込みから解消されます。
長期間休む事で心に余裕が戻り、何事も前向きに考えることができますよ。
また「自分は何をしたいのか」「何ができるのか」など、改めて自分の人生を振り返ったり、目標を立てる時間も作れます。
働き詰めだった人は、人生を見直す良い機会になりますね。
長期の休みを利用して、資格を取ることもできます。
例えば「介護の資格」や「WEBデザイナーの勉強」など、新たな業界に転職したい人は資格を取っておくと有利になりますよ。
ちなみに私は仕事を辞めた後、合宿免許に参加しました。
知らない土地で勉強しつつ、運転免許も取れて良いリフレッシュになりましたよ。
知らない人と交流することも良い刺激になりました♪
仕事を一年休むデメリット
仕事を一年くらい休むメリットも大きいのですが、もちろんデメリットもあります。
- お金がなくなる
- 仕事の仕方を忘れてしまう
- 社会復帰しづらくなる
- 貯金が減っていくたび不安になる
一番のデメリットは、やはりお金の問題です。
仕事を辞めた後は日々の生活費や、健康保険・年金・住民税など色々お金がかかります。
それに加え資格取得や旅行費など出費も多くなるため、事前にしっかりと準備しておく必要がありますよ。
貯えがないとお金が減る度余裕がなくなっていきそう…
また、長期間仕事を離れていると「仕事の仕方」を忘れてしまう可能性もあります。
人間関係の構築方法や仕事の進め方、スケジュールの管理方法など、普通にできていたことができなくなってしまうかもしれません。
不規則な生活を続けていると「毎朝早起きして出社できるかな」「職場の人と上手くできるかな」と不安になり復帰が怖くなるデメリットもあります。
休んでいる間も人と交流したり、規則正しい生活を心がけたいですね。
最長一年休める!しばらく休みたい時利用したい制度
仕事を一年くらい休みたい時、会社や国の制度を活用する手もあります。
それぞれ休める期間や条件は違いますが、一定金額をもらいながら最長一年半休めるものもあるため知っておいて損はありませんよ。
貯金がない人は必見です。
有給をフルで使う
まず2週間ほど休みたい人は、有給をフルに使うのがおすすめ。
1週間の所定労働時間が30時間以上・所定労働日数が週5日以上で、ほぼ正社員並みに働いている人(3年半の勤続期間あり)なら、14日ほど有給が貰えます。
有給を連続して使うことは法的に問題ないため、会社の閑散期など様子をみて上司に相談してはいかがでしょうか。
2週間あれば海外に行ったり、普段からかけ離れた環境に身を置くこともできますね。
ちなみに貰える有給の日数は勤続期間と、出勤日数によって変わります。
自分の有給日数が知りたい人は、別の記事で詳しく紹介しているので参考にしてくださいね。
有給休暇が残ったままパートを退職するのはもったいない! 辞める時に有給消化する方法は?
特別休暇
特別休暇を使えば、長期期間休む事もできますよ。
特別休暇とは、年次有給休暇の他に会社が任意に定めた休暇のこと。
例えば、以下のようなものがあります。
- 病気休暇
- ボランティア休暇
- リフレッシュ休暇
- 裁判員休暇
- ドナー休暇
それぞれ紹介していきます。
病気休暇とは
長期にわたる治療が必要な場合、治療や通院のために年次有給休暇とは別に使うことができる制度。
「病気休暇」がある会社は全体の23%ほどで、大企業でよく導入されています。
半日や時間単位で取得できるのもメリットです。
ボランティア休暇とは
労働者が自発的に無報酬で社会貢献になる活動を行う際、必要な期間付与される制度。
例えば、被災地への支援や地域貢献活動ですね。
リフレッシュ休暇とは
労働者の心身の疲労回復を目的として付与される休暇。
例えば「勤続3年の人には5日」など、勤続年数によって与えられる日数が変わります。
裁判員休暇とは
裁判員としての職務を果たすために必要な期間について付与される休暇。
平成16年に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月より国民が裁判官として刑事裁判に参加する「裁判員制度」が開始しました。
原則断れないため、仕事を休んで参加することになります。
ドナー休暇とは
ドナーとして適合した場合、入通院する日数を休める制度。
自分の都合で取れないものも多いですが、特別休暇があることを知っていれば役に立つことがあるかも。
また特別休暇は会社が任意で定めたものなので、無給か有給扱いかは会社によって異なります。
特別休暇があるかどうか就業規則で確認してみてくださいね。
休職制度
「仕事をしばらく休みたい」と思うなら、休職制度を利用するのもおすすめです。
休職制度とは、雇用関係を維持させた上で業務遂行の義務を免除できる制度のこと。
- 傷病休職
- 留学休職
- 事故欠勤休職
種類はありますが、会社を退職せずに長期休めるのがメリットです。
会社に籍が残っているので、休んだ後に転職活動せず働き始められるのが良い所ですね。
ただ休職制度は「制度自体ない会社がある」ことと「休める期間が会社によって違う」ので注意が必要ですよ。
まずは休職制度を設けている会社なのか確認の上、上司に相談してくださいね。
傷病手当
休職制度は長期期間休める制度ですが、デメリットもあります。
それは「給料が出ない」ことと「復帰しづらい」こと、「仕事を休みたい」理由が職場環境だった場合、同じストレスを感じてしまう可能性があることです。
特に給与が出ないのは大きな問題だよね。
貯蓄はないけど、お金の心配をせずに長期間休みたい人は「傷病手当」の申請がおすすめですよ。
傷病手当はケガや病気で働けない人が利用できるもので、退職後最長一年半・合計300万円以上貰える給付金です。
知名度が低いので、現在200人に1人しか受け取っていませんが、実は当てはまる人も多いんです。
例えば、以下に当てはまれば貰える可能性は高いですよ。
- 社会保険に1年以上加入している人
- メンタルに不調を抱えている人
- 退職予定で最終日まで2週間以上ある人
- 次の転職先が決まっていない人
パートやアルバイトでも社会保険に加入していれば対象になるので、気になる人は一度詳しい条件を確認するべき。
毎月10万円ほどが振り込まれるので、お金が無くなっていく不安を感じることもありません。
傷病手当を貰いながら一年くらい休んで、次は失業保険を貰いながら転職活動もできます。
ただ傷病手当は「退職前しか申請できない」ことと「書類のミスが許されない」ため、早めからの準備が必要です。
まずは手続き方法と、対象になる人の条件を確認しておいてくださいね。
傷病手当の手続き方法や詳しい条件は、別の記事にまとめています。
気になる人はこちらも読んでください。
退職予定者必見!国の制度で最大28か月手当てが受けられる方法
仕事をしばらく休む時の注意点
病気を治したい時や人生を見つめ直したい時、仕事をしばらく休むのはよい事ですが、注意点もあります。
ここでは、仕事を長期間休む時に気を付けたいポイントを紹介します。
休む目的を決める
まずは「どうして休みたいのか」「休んでいる間何をしたいのか」決めておきましょう。
例えば、
- 休んで体調を万全に整えたい
- 病院に通いながら回復をさせよう
- 人生を見つめなおしたい
- 資格を取ろう
- 海外旅行に行こう
- 免許をとろう
など、上記のように休む目的とゴールをなんとなく決めておくと、有意義な休みが過ごせます。
逆に「お金がなくなったから働こう」など、どうしようもない状況で仕事を再開すると「なんのために休んだんだろう」と後悔してしまいがち。
有意義な休みにするために「何か結果」を残したいですね。
大体の期限を決めておく
前項の「目的を決める」と少し被るのですが、大体の期限を決めておくと良いですよ。
例えば、
- 一年後の〇月まで
- 資格の試験日まで
- 症状が良くなって通院がいらなくなるまで
体調不良の回復など期限が決められないものもありますが、目標を決めているとゴールに向かって行動しやすくなります。
期限を決めたからと言ってその通りにする必要はありませんが、手持ちの貯金額やスケジュールなど考えとくと1日1日を大切に過ごせますよ。
大まかな計画を立ててみてくださいね。
規則正しい生活を心がける
長期間休むとどうしても不規則な生活になりがちです。
不規則な生活は自律神経を乱し体調不良も招いてしまうため、規則正しい生活を心がけましょう。
例えば、
- 早寝早起きする
- 食事をできるだけ同じ時間にとる
- 日光を浴びる
- 軽い運動を心がける
特に仕事を辞めると朝起きる必要がなくなるため、昼夜逆転してしまいがち。
そうすると太陽の光を浴びることも少なくなるし、体内時計がくるってしまいます。
社会復帰する時に朝起きられないかも…
スムーズに社会復帰できるよう、生活リズムは整えておきたいですね。
自己分析して行動する
ずっと働き詰めだった人は、長期休養期間中に「自己分析する」のがおすすめです。
自己分析は、今までの自分の取り組みや出来事を振り返ると簡単にできますよ。
せっかくの良い機会なので、学生時代に取り組んでいたことや、目標も振り返ってみましょう。
- 学生時代に取り組んだこと・やりたかった事
- クラブ活動やサークル活動
- 将来の夢
- 今まで働いた会社を書き出す
- どんな仕事が自分に合っているか
- どんな時不満を感じたか
- 長期間続いた仕事は何か
- 自分はどんな性格か考える
- 人から褒められた・頼られた事
- 短所や長所
- 時間を忘れてやり続けられる事
「そういえば昔は○○がやりたかったな」「○○が得意だったな」など自分の意外な一面を思い出すかもしれません。
また次の転職を失敗しないためにも「どんなことが向いているのか」「どんなことにストレスを感じるか」など紙に書き出してはいかがでしょうか。
自分の性格や希望を明確化すれば次の転職活動もスムーズですよ。
新たな自分探しのきっかけとして「自己分析」をしてみてくださいね。
事前準備をすれば仕事を一年くらい休むことは可能です
「仕事を一年くらい休みたい」「しばらく休養したいな」とは思っても、なかなか行動に移せない人も多いはず。
しっかりと準備すれば、大人になってから休むことは可能です。
「体調不良に悩んでいる人」「うつ病の人」「人生を見直したい人」はぜひ、制度を上手に使って休んでくださいね。
目的と期間を決めて有意義な休みにしてください。
「仕事に疲れたから休みたい」「現実的な方法を知りたい」という人の参考になれば嬉しいです。
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